生クリームは液状なのになぜ固くなるのか?[やさしい製菓理論]

どうも、はまだまです(^^)

前回も生クリームについて書きましたが、泡立ちの原理について書きそびれてしまったので、今回はそれがテーマです。

生クリームは液状なのに泡立てると固くなるのはなぜか?

メレンゲは特別なタンパク質を含んでいるためしっかり固く泡立つのですが、生クリームはまた違う理由で固く泡立てることができるのです、はい。

それではやっていくことにしましょう。

※前回記事を読んでくれた方はお分かりかもしれませんが、生クリームとは本来動物性のクリームだけをさす言葉です。

ですが、世間一般に生クリームというとクリーム全般のことをさすので、今回は生クリームで統一したいと思いますあしからず。

生クリーム泡立ちの原理

生クリームがなぜ固まるのかということについてですが、一言で言うと

乳脂肪が網目状の
骨格を作るから

です。

なんのこっちゃって感じですね。

では、図と共に泡立ての様子を見ていきましょう。

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1、泡立て前

泡立てる前の生クリームの様子です。

青い点々は、生クリームの中に含まれる脂肪、乳脂肪です。

乳脂肪は、この図のように丸い球状となってクリーム内に分散しています。

丸いから、人はこれを「脂肪球」と呼びます。

脂肪球について

こんにちは脂肪球です。

みなさんご存知の通り、本来脂肪と水分は混じりあわない存在です。

それでもきれいに乳脂肪が分散しているのは、周りを「脂肪球膜」という膜に覆われているからです。

この脂肪球膜には乳化作用というものがあって…まぁ簡単に言うと、油と水分を結びつける役割のことですね

(乳化について詳しくはこちらの記事の「乳化性(卵黄)」を参考に)

右手は油と仲良くなれて、左手は水分と仲良くなれる…そんな感じです(わかりにくい)。

2、泡立て直後

(これ作成するのめっちゃ大変だった…)

これが泡立て直後。

生クリームを泡立て始めると、脂肪球が激しくぶつかり合います

それによって、さっき説明した脂肪球膜が破けて、中身の乳脂肪がむき出しになってしまうんですね。

油は、水と反発する力が大きいので、なるべく水に触れないように動き始めます。

傷ついた脂肪球の動き方

でですね、この傷ついた脂肪球がいかに水に触れないように動いていくかってことなんですけど。

その動きには2種類あるんです。

①脂肪球同士が傷ついた部分を内側に向けてくっつく

②気泡のまわりにくっついて、傷ついた部分を気泡側にしてくっつく

こんな感じで、脂肪の塊が大きくなったり気泡を取り囲んだりして、クリームにとろみがついてきます。

3、さらに攪拌(ベストな状態)

(気泡と脂肪球がゲシュタルト崩壊しそうです)

さらに攪拌していくと、脂肪球がどんどんくっついていって、網目状の骨格を作り上げます。

この骨格の中に気泡や水分を取り込んでいるので、いい感じの固さのクリームになるのです。

脂肪球は偉大なり。

4、さらに攪拌(泡立てすぎ)

泡立てすぎるとこうなります。

脂肪球膜がすべて破壊されてしまい、なすすべなく放り出された乳脂肪たち。

みんなで集まってもとの状態に戻ろうとしますが、集まれば集まるほど水分との溝は深まっていくばかり。

水分と乳脂肪、脂肪球膜の3人で過ごした短くも幸せなひと時は、所詮ひと時のままだったのです。

~続く~

ええ。続きません。

改めてまとめると、脂肪と水分が完全に分離してしまいますよってことです。


えー…泡立ての原理だけ書いて終わろうと思ってたのですがちょっと文字数に余裕があるので…

おまけ:氷水で冷やす必要はあるのか

はまだまは一番最初にケーキを作ったとき、氷水につけないでクリームを泡立てたのですが。

なーんか上手にできなかったんですよねぇ。

クリームがぼそぼそになってしまって、絞ったときに見た目があんまりよくなくて…

「まぁ手作りはこんなもんかー」

って思ってそのときは納得したんですけど。

先ほど説明したように、生クリームの骨格を作っているのは乳脂肪です。

基本的に油脂は、温度が低いと硬く、高いと軟らかくなるというのはみなさんご存知の通り。

生クリームの中でも同じことがいえるので、温度が高くなるとしっかりとした骨格が作れなくなってしまうんです。

最終的には、油脂が水分と分離してぼそぼそっとした感じになってしまうんですね。

ということで、生クリームを泡立てる時に氷水は必須です。

私の会社でもボウルにいっぱいの氷とともに泡立ててました。

そして、使うまでは冷蔵庫に入れてギンギンに冷やしておきましょう

具体的には5~10℃くらいで泡立てるといいです。


まとめ

今回はいつもより難しめの話だったと思いますが、ご理解いただけましたでしょうか。

ではまとめます。

①生クリームが固くなるのは、

「乳脂肪が網目状の骨格を作るから」

である。

②泡立てによる状態の変化

 1、泡立てる前:脂肪球が点在している

 2、泡立て直後:脂肪球同士がくっつき始める

 3、さらに攪拌:脂肪球がどんどんくっついて網目状の骨格を作り、気泡や水分を取りこんで適度な硬さのクリームになる

 4、泡立てすぎ:脂肪球膜が破壊され、脂肪と水分が完全に分離する

③泡立てる時の温度が高いと、乳脂肪が溶けだしてしっかりとした骨格が作れなくなってしまうので、氷水にあてて泡立てる

こんなもんで…

図作るのめっちゃ大変だったな今回…

疲れた…パトラッシュ私疲れた…

お読みいただきありがとうございました!

また次回、お会いしましょう(^^)

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